「美しい」それ以外の言葉が見つからない。
私が一番観たかった彼の姿・演技だったのだと思う。
カナダ大会のエキシビションで、それを観ることが叶った。
Notte Stellata(The Swan) 星降る夜 by IL VOLO
ホワイトレジェンドのような色のある白鳥ではなく、純白の衣装をまとって「swan」として滑る彼。
曲がサンサーンスの「白鳥」であったことも、実現することはないと諦めて、望むことすらしようとしなかった私の心の奥を神様が見透かして、かなえてくれたのかもしれない・・・等と少し思っている。
原曲でなくボーカルが加わって、ラブソングとなっているところ。
バレエの演目では「瀕死の白鳥」だけれど、白鳥が息絶えて終わるのではなく、全てを包み込む優しい白鳥の物語として生まれ変わっているところが良いと思った。
タラソワさんから、ぜひ滑ってほしいと贈られた曲であることも興味深い。
私が今更書くまでもないけれど、ソチオリンピックの結弦クンに対して、「あんなにポンポン転ぶオリンピックチャンピオンは見たことがない」と手厳しいことを言った印象が強すぎる。
ミスがあろうがその時に最高得点を出した人が金メダリストだ。
真央ちゃんのプログラムの振り付けは好きだったけれど、タラソワさんの印象はずっと良くなかった。
(こちらのお写真はisu figureskatingさんのインスタからお借りしました。ハイドロの指の後の美しさを指摘されていた方がいらして、ホントにその通りと思いました・・・)
昨年のSEIMEIで、彼女が結弦クンを絶賛する解説が話題になって、「ちゃんと見るべきところは見る人だったんだ」
と嬉しくなったのも記憶に新しい。(今思うと公平に見るべきなのは当たり前なのですが)
結弦クンのスケートがかつて彼を批判した、世界で名だたるコーチにきちんとした形で認められて本当に嬉しかった。
彼にとっても、憧れのスケーターの指導者であった彼女から曲を選んでもらったことはとても大きな意味があり、素直に嬉しかったことと思う。
今季のEXはウィルソン振り付け。
その情報だけで楽しみにしていたけれど、タラソワさんから素敵な曲が贈られて、こんなにも慈愛すら感じられる美しいプログラムが待っているとは思わなかった。
EXだからこそ、存分に美しいスピンやスケーティングに見入ることが出来、ジャンプの成否に気を取られることもない。
白鳥そのものの美しい彼。私が一番観たかった姿なんだと思う。
(演技後、ご挨拶してリンクを去る時の彼の腕の動きの美しさに目を見張りました)
彼の中では、震災後初めて滑ったホワイトレジェンドの続きとなっているようですね。
「ホワイトレジェンドは飛び立つところまで。」
今回は演技後のインタビューより。
「しっかり一歩前に踏み出しているような自分の思いが詰まったプログラムになった。」
「今回のスワンで、全部を包み込むような優しさを感じて頂けたら」
少しづつでも前に進んでいること、これからもいろんな状況に置かれた方と共にあることを表現されたのかな、と思いました。
今回は競技用としてのプログラムを観る気持ちを取り除いて、スケートとバレエを愛するファンとしての気持ちを綴りました。
このお衣装、背中がかなり開いていて男性スケーターには珍しいと思います。が、やはり「美しい」ですね。
肌襦袢で隠さなくてもいいくらい☆と思ったほどです。
お写真は主に、JIJIさん、スポナビさん、newscomさんよりお借りいたしました。
pinoさんの動画より
エキシビ今季初披露
演技動画
Yuzuru Hanyu EX 2016 Skate Canada
最後までお付き合い頂いてありがとうございました。